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エア・カナダ 2025年アクセシビリティ
進捗報告書

一般事項

1.1 エグゼクティブ・サマリー

エア・カナダは2023年6月に、2023-2026年までのアクセシビリティ計画と、フィードバックプロセスを公開しました。これは、障がいのあるお客様や従業員の旅行中、または職場での障壁を特定し、なくす、あるいは防止するための重要なステップとなりました。2024年には、577,000人の障がいのあるお客様から旅行に際してアクセシビリティ支援の要請をいただきました。私達は、すべての障がいのあるお客様が、快適で安心できる空の旅を簡単にお楽しみいただけるよう尽力しています。また、採用前から退職にいたるまでの過程に立ちはだかる障壁をなくすことで、従業員が支援を受けながら安心して生産的に働ける環境づくりに努めています。

私達は、2024年6月に、2024年4月30日までの活動についての最初の進捗報告書を発行しました。

2025年6月発行の本進捗報告書では、2024年5月1日から2025年4月30日までの活動について報告します。

本進捗報告書では、エア・カナダの活動、課題、および継続的な改善への取り組みをご紹介します。この期間における主な成果は以下のとおりです。

  • アクセシビリティと障がいに対する従業員の意識向上のためのトレーニングを強化
  • 大小さまざまな規模のイベントを通じて従業員のアクセシビリティへの意識を向上
  • 障がいのあるお客様を支援するための設備を改善および強化
  • 移動補助具の安全管理に関する方針および手順を強化
  • デジタルプラットフォームおよび非デジタルプラットフォームを通じたコミュニケーションと情報提供の手段を改善
  • 新しい建築環境プロジェクトの設計および施工にユニバーサルデザインの原則を導入
  • 対面式トレーニングを増やし、職場アコモデーションプロセスを部門ごとに作成および改善
  • 障がい者関連団体およびイベントの後援と支援を拡大

本文書の報告は、この期間に関する最後の進捗状告となります。次の3年間のアクセシビリティ計画は2026年6月1日までに発行する予定です。

現行の計画および進捗報告は、次を対象としています。

  • エア・カナダ、エア・カナダ ルージュ、エア・カナダ エクスプレスが運航するすべてのフライトのカスタマーアクセシビリティ。なお、現在、エア・カナダ エクスプレスの便は、ジャズ航空およびPAL航空が運航しています。
  • エア・カナダおよびエア・カナダ ルージュのすべての従業員アクセシビリティ

ジャズ航空およびPAL航空は、各々がアクセシビリティ計画および進捗報告書を提出していますが、エア・カナダを利用されるお客様のアクセシビリティに関して、エア・カナダのアクセシビリティ計画および進捗状況報告書を参照する記載が含まれています。

1.2.専任のアクセシビリティチーム

エア・カナダのカスタマーアクセシビリティチームは、カナダの各空港におけるエア・カナダの運営、および顧客体験戦略支部に組み込まれています。このチームには、アクセシビリティ計画をお客様の旅行のすべての場面で実践できるよう、全社を挙げて強固なリーダーシップとサポートを提供しています。

エア・カナダの従業員アクセシビリティ・職場アコモデーションチームは、従業員のアクセシビリティに関する全般的な課題に対する意識を、企業全体で高めることに重点を置き、より大きな枠組みである多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂性(Inclusion)(DEI)の事業部門の下で活動しています。

この2つのチームにより、各部門の副社長が参加し、最高執行責任者(COO)が統括する、カスタマーアクセシビリティと従業員アクセシビリティの合同運営委員会が構成されています。この委員会が四半期ごとに会合を開き、アクセシビリティへの取り組みの方向性を定め、サポートを提供しながら、統合されたアプローチでアクセシビリティへの対応を行っています。私達は、従業員アクセシビリティに関する最新情報を、DEI執行委員会を含め、社内の執行委員会および経営陣に定期的に提供しています。

また、エア・カナダの上級副社長兼最高執行責任者は、Diverse Abilities ERG(多様な能力を持つ従業員リソースグループ)の経営幹部スポンサーも務めています。

1.3.お問い合わせ先およびフィードバック窓口

エア・カナダのアクセシビリティ計画書をお求めの方、フィードバックプロセスについて質問のある方、進捗報告書を別の形式でお求めの方、エア・カナダのアクセシビリティに関してご意見およびご要望がある方など、お問い合わせがございましたら、従業員に関することは多様性、公平性、包摂性担当責任者まで、お客様に関することはカスタマーアクセシビリティ担当責任者までお送りください。

郵送:

Director, Customer Accessibility(カスタマーアクセシビリティ担当責任者)
525 Viger Ave.Ouest
Montréal, Quebec
H2Z 1G6

Director, Diversity, Equity and Inclusion(多様性、公平性、包摂性担当責任者)
7373 Côte-Vertu Blvd.West
Saint-Laurent, Quebec
H4S 1Z3
ZIP 1261

ウェブフォーム:アクセシビリティ計画に関するフィードバックフォーム

メール: accessibility-accessibilite@aircanada.ca

電話:1-888-422-2408(TTYおよびビデオリレーに対応

1.4.頂戴したフィードバック

エア・カナダはフィードバックをそれぞれ専用の窓口を通じて受け取っており、窓口ごとに異なる方法で内容を確認しています。

このフィードバックプロセスに関しては、旅行中その場で対応が必要な場合を除き、お客様が各窓口の目的を理解しづらいといった課題があることを認識しております。私達は、フィードバックの内容に応じて適切な窓口にお問合せいただけるよう、コミュニケーション手段の改善に継続的に取り組んでいます。

専用の窓口を通じて頂戴したフィードバックの多くは、カスタマーアクセシビリティに関するものです。最も多く寄せられたフィードバックの内容は以下のとおりです。

  • 大型空港における建築環境面での課題
  • 世界中の空港で提供される支援における一貫性の欠如
  • 繁忙期に提供される支援のタイミング
  • 障がいに関する従業員の意識と理解
  • 機内における特別な座席要件への対応

エア・カナダをご利用いただいた感想、およびアクセシビリティサービスの改善に向けた具体的なフィードバックをより多く収集するため、お客様へのアンケート調査を積極的に行うほか、AC Listensコミュニティとも連携しています(2.2を参照)。

フィードバックの中では、エア・カナダを利用して良かったことについてもコメントを頂戴しています。これらのコメントを、私達の努力やその成果に対する評価と見なし、従業員およびその上司と共有しています。

従業員から寄せられたフィードバックで最も多かったのは、職場アコモデーション、および障がいのある従業員への支援源に関する質問です。最も多かった内容は以下のとおりです。

  • 休職後の職場復帰の際に利用できる支援源について
  • 目に見えない障がいのある従業員のニューロダイバーシティに対する職場支援について
  • 職場アコモデーションプロセスでの支援、および要請への対応に関する情報の提供について

1.5.空港当局との連携

航空機の運航には、空港当局、地上支援業者、政府機関、航空機や移動補助具の製造業者など、複数の関係者との緊密な連携が必要です。運航業務は国内外の法規制により厳しく規制されており、グローバルな協力体制が要求されます。障がいのあるお客様のために、障がいのある人々を支援する地域団体とのつながりも重要です。エア・カナダなどの航空会社は、より大規模なシステムの一部として他の関係者と連携することで、安全で快適な空の旅を実現しています。

最も緊密に連携しているのはカナダの空港当局です。2023年以来、エア・カナダはバンクーバー空港公団、グレーター・トロント空港公団、モントリオール空港との連携を強化してきました。また、カルガリー空港公団、エドモントン地域空港公団、ウィニペグ空港公団、オタワ国際空港公団、ハリファックス国際空港公団など、カナダの他の空港とも連携しています。これらの協力体制により、アクセシビリティの課題に懸命に取り組んでいます。特に、Hidden Disabilities Sunflower(目に見えない障がい者の支援)プログラム、Autism Aviation Days(自閉症スペクトラム向け航空体験イベント)を立ち上げ、アクセシビリティに関する情報コミュニケーションを実現できるのは、このようなパートナーシップがあるからこそです。

また、Ready Willing and Able(障がい者雇用支援プログラム)、コンコルディア大学(Concordia University)のStudents with Disabilities Association(障がい者支援協会)、Comité Consultatif Personnes handicapée(障がい者諮問委員会)などの地域団体との連携も、障がいのある従業員の採用、入社、定着を支えるうえで重要な役割を果たしています。

1.6.アクセシビリティに関する規制

エア・カナダは、Accessible Transportation for Persons with Disabilities Regulations(障がい者のためのアクセシビリティに配慮した交通に関する規定)(SOR/2019-244)の第1部、第2部、第3部の適用を受けます。

コンサルテーション

「私たちのことを私たち抜きで決めないで(Nothing about us without us)」の原則に基づき、私達は本進捗報告書の作成にあたって、さまざまな障がいのある方、および障がい者団体とのコンサルテーションを実施しました。

2.1.アクセシビリティ諮問委員会

エア・カナダのアクセシビリティ諮問委員会は、アクセシビリティ改善に向けた方向性やビジョンについて意見を出し、成功に導くことを目的として2023年12月に設置されました。

現在、それぞれに異なる障がいを持ち、アクセシビリティを必要とする人々を代表するカナダの組織に所属する4名の個人が、この委員会に在籍しています。

  • Donna Jodhan氏、Barrier Free Canada所属
  • Paul Rogers氏、Brain Injury Canada所属
  • Isabelle Ducharme氏、Kéroul所属
  • Joanne Smith氏、Spinal Cord Injury Canada所属

また、Christopher Sutton氏(Wavefront Centre for Communication Accessibilityに所属)を2024年6月に同委員会に迎えましたが、後に、連邦政府での新しいアクセシビリティに関する指導的役職に任命されたため、2025年5月に任期を終えました。アクセシビリティ諮問委員会は四半期ごとに開催され、新規および継続中のアクセシビリティの取り組みについて協議しています。

また、本進捗報告書の作成にも、アクセシビリティ諮問委員会が関与しています。各メンバーに報告書の草案を配布し、それぞれに選択する窓口を通じてフィードバックを提供するよう促しています。

2.2.お客様との継続的なコンサルテーション

私達は、改善が可能な点や優先して取り組むべき点を特定するために、障がいのあるお客様と継続的にコンサルテーションを行っています。

フライト後および通話後のアンケート:

エア・カナダでは、アクセシビリティに関する質問を記載したフライト後のアンケートを、到着から48時間以内にお送りしています。お客様はエア・カナダによる支援を11段階で評価します(0 - まったく満足しなかった、10 - 非常に満足した、11 - 該当なし)。満足しなかったと回答された(評価が8点未満だった)お客様には、どの時点で問題があったかを質問します。これらのフィードバックを週ごとに確認し、そこから得られる知見を社内全体で共有することで、アクセシビリティ支援を要請されるお客様へのサービス向上に役立てています。また、コンタクトセンターやアクセシビリティサービスを利用されたお客様にも、旅行の感想についてアンケートへの回答をお願いしています。

2025年第1四半期には、アクセシビリティへの配慮を必要とする約13,900人のお客様のうち75%が、エア・カナダのアクセシビリティサービスに満足したと回答しています。また、アクセシビリティへの配慮を必要とされるお客様のネットプロモータースコア(NPS)も、平均スコアより14ポイント高い結果となりました。NPSは、自社のサービスや製品をお客様がどの程度他者に勧めたいと思うかを測定できる重要な指標です。

AC Listens Accessibility(エア・カナダアクセシビリティ傾聴)

アクセシビリティサービスをご利用いただいた障がいのあるお客様や、障がいのあるご家族様との旅行で利用されたお客様を集めた専門のグループを、AC Listens Accessibilityコミュニティに作成しました。AC Listensは、フライト後のアンケートに回答し、また今後の調査への協力にも同意された、さまざまな顧客層にわたる2,500人以上のお客様のオンラインコミュニティです。AC Listens Accessibilityコミュニティのお客様には、アンケート、フォーカスグループディスカッション、投票など、さまざまな手法を用いて、お客様に関する深い知見を得るために調査をお願いしています。また、エア・カナダによるアクセシビリティへの今後の取り組みについても、ご意見を定期的に伺っています。

お客様とのワークショップ:

サービスを実際に利用されたお客様から直接フィードバックを伺うことは、従業員にとって非常に大きな学びになると私達は理解しています。そのため、接客を担当する従業員を対象に、障がいのあるお客様をお招きしたワークショップを実施し、今後も実施する予定です。これを、お客様のニーズをより深く理解するために役立てたいと考えています。

個々のお客様からのフィードバック:

障がいのあるお客様で、最近のご旅行に関してエア・カナダに意見したい方、アクセシビリティサービス全体に関してフィードバックを送りたい方に、カスタマーアクセシビリティチームが電話やビデオ通話で定期的にお話を伺っています。

2.3.従業員との継続的なコンサルテーション

エア・カナダの従業員は、自身が必要とするアクセシビリティだけでなく、お客様のアクセシビリティを強化する取り組みに関しても、豊富な知識と情報を蓄えています。

ERG(従業員リソースグループ):

エア・カナダには、ERG(従業員リソースグループ)が6つありますが、Diverse Abilities ERGはそのうちの1つです。Diverse Abilities ERGの会員数は、この1年間で221%増加しており、アクセシビリティへの関心が全社的に高まっていることを示しています。私達は四半期に一度、ミーティングやその他の機会を通じて、Diverse Abilities ERGからご意見を伺っています。このグループが、職場での障壁や課題について知見を提供し、すべての従業員に向けてアクセシビリティを改善する方法を提案しています。

従業員から個別にフィードバックを収集:

職場アコモデーションオフィスとDEI部門は、従業員から職場での自身の体験や、障がいのある家族との体験について定期的に話を聞くことで、フィードバックをさらに多く収集し、職場でのアクセシビリティ向上に役立てています。

特定分野の専門性を持つ従業員:

カスタマーアクセシビリティチームは、お客様のアクセシビリティについて相談を受け付ける従業員コンサルテーショングループの複数のメンバーと何度もワークショップを実施しました。これらの従業員は、ポリシー、手順、トレーニングなどの改善について価値の高い知見を提供するという特別な役目を果たしています。このようなコンサルテーションを強化し、さらに発展させるために取り組んでまいります。

2.4 進捗報告の準備段階でのコンサルテーション

進捗報告の作成にあたり、2023年のアクセシビリティ計画および2024年のアクセシビリティ進捗報告書に続き、独立系コンサルティング会社のReturn on Disability Group(RoDG)に再び協力を依頼しました。RoDGは、障がいのあるお客様や従業員が匿名で参加しフィードバックを提供できるコンサルテーションを企画および実施し、それぞれの経験についてより深い理解が得られるように対話の機会を増やしています。

従業員フォーカスグループ

2025年2月に、障がいがあると自認する従業員と、3つのフォーカスグループを通じて、英語とフランス語でコンサルテーションを行いました。これらのフォーカスグループには、エア・カナダの拠点があるすべての地域から、さまざまな職種および職務経験を持つ、障がいのある従業員が参加しています。参加者には、前年のフォーカスグループでの質問と似た内容を質問することで、変化をわかりやすく測定できるようにしました。たとえば、エア・カナダでのアクセシビリティ全般に関する認識、建築環境のアクセシビリティ、職場でのニューロダイバーシティ、職場アコモデーション、ERGなどについてお伺いしました。

従業員アクセシビリティに関する調査

2025年3月から4月にかけて、世界中のすべての従業員に、エア・カナダでのアクセシビリティ、障壁、職場での体験に関するアンケート(英語とフランス語)を送りました。このアンケートは前年に実施したアンケートを基に作成しましたが、アクセシビリティへの継続的な取り組みにおける進捗を調べるために、職場でのニューロダイバーシティに関する項目が追加されています。このアンケートには1,090件の回答が寄せられ、うち16%は障がいがあると自認する従業員からのものでした。

お客様とのコンサルテーション:

2024年11月から2025年4月にかけて、以下のさまざまな議題で、AC Listens Accessibilityコミュニティのメンバーと3回のセッションを行いました。

  • モントリオールトルドー国際空港のお客様待合エリア(2024年11月):この待合エリアでお客様に安心しておくつろぎいただくために、どのような点を改善すればよいかフィードバックを伺いました。フィードバックは次の4点に集中しました:(1)アコモデーションに対応した設計および配置、(2)快適さとプライバシー、(3)サービスおよび支援、(4)アメニティーおよび機能性
  • 「メディカルアシスタントデスク」から「アクセシビリティサービス」への名称変更(2024年12月):この名称変更がお客様にどのような印象を与え、どのような影響があるかを知ることを目的としてメンバーにフィードバックをお願いしました。その結果、「アクセシビリティサービス」の方がアコモデーションが行き届いた印象があり、包摂性、信頼感、シンプルさが感じられると同時に、利用しやすさも「メディカルアシスタントデスク」と同等であると受け止めてられていることがわかりました。また、幅広くサービスを提供するという印象を与えていることも明らかになりました。
  • 旅行前のアクセシビリティメール(2024年12月):新しく提供を開始した旅行前のメールをどのように受け取ったか、また効果があったかどうかについてご意見を伺いました。92%のメンバーはこの旅行前のメールに満足しており、95%以上はメールの情報が有益で理解しやすいと回答しました。
  • お客様の昨年の旅行との比較(2025年4月):改善点に気付いたかどうか、新しい取り組みやサービスを認知し利用したか、価値があると感じたか、他に要望はないかなど、さまざまな質問をメンバーに行いました。その結果、エア・カナダをよく利用するお客様の56%が、昨年にエア・カナダで旅行した際よりも改善された点に気付いたと答えました。 具体的には、支援スタッフに意欲があり積極的である、サービスがより迅速になった、アクセシビリティの要請方法がわかりやすく便利になった、設備の管理方法が改善されたなどの回答が多く寄せられました。回答者の76%が、アクセシビリティサービスによって旅行がより便利になり、配慮が行き届いていると感じたと回答しました。一方で、食事制限へのアコモデーションを拡充して欲しい、機内の化粧室のアクセシビリティを向上させて欲しい、乗り継ぎ時の支援を強化して欲しい、すべての空港でサービスを標準化して欲しいなどの要望も挙がりました。 

2025年4月と5月に、さまざまな障がいのあるお客様と2度のフォーカスグループセッションを実施しました。RoDGがフォーカスグループの参加者を募集し、進行を務めました。航空券の予約手続きに関する全体的な感想、およびウェブサイトや旅行前のメールに記載されたアクセシビリティに関する情報の質について、参加者にフィードバックをお願いしました。

参加者からは、エア・カナダが注力している分野や取り組みに関連して以下のような好意的なフィードバックをいただきました。

  • ウェブサイトやモバイルアプリを使用してすばやく簡単に予約ができた。
  • コンタクトセンターの担当者が親切にサポートしてくれた。
  • ウェブサイトの内容はわかりやすく整理されており、情報がすぐに見つかった。
  • 旅行前のメールが送られてきたことで安心でき、必要な情報も記載されていた。

また、以下のような点で改善を望む声も寄せられました。

  • セルフサービスの選択肢を増やして欲しい。
  • プロフィールにアクセシビリティに関する要望を保存する機能を追加して欲しい。
  • ウェブサイトや旅行前のメールに、視覚および聴覚に障がいのある(または難聴の)お客様向けサービスに関する情報をより多く掲載して欲しい。
  • 聴覚に障がいのあるお客様向けに、ビジュアルコンテンツ(イラストや動画など)やASL(アメリカ手話)とLSQ(ケベック手話)を使用してサービスを説明してほしい。

これらのフィードバックを、今後のプロジェクトの参考にしながら、次の2026~29年アクセシビリティ計画の準備を進めます。

本進捗報告書の範囲

本進捗報告書では、お客様および従業員の障壁を特定、除去、防止することを目的とした、以下の7つの領域における私達の活動について、進捗の概要をご報告します。

  • プログラムとサービスの設計および提供
  • 輸送
  • 建築環境
  • 雇用
  • 情報通信テクノロジー(ICT)
  • 情報通信テクノロジー以外のコミュニケーション
  • 物品、サービス、設備の調達

以降では、エア・カナダのアクセシビリティ計画における取り組みと、それぞれの進捗について、セクションごとに表にまとめてわかりやすく説明します。

本進捗報告書の内容は、カスタマーアクセシビリティおよび従業員アクセシビリティを担当するエア・カナダ当社の副社長により確認が行われています。

プログラムとサービスの設計および提供

この1年間、私達はお客様と従業員へのアクセシビリティへの意識を高め、知識を蓄えることを優先し、トレーニングやコミュニケーションを増やしながら活動してきました。

取り組み 活動 進捗状況
短期: お客様
カナダの空港において、障がいのあるお客様の機内座席へのご移乗および移動を介助するために使用される現在の設備と、提供中の選択肢を評価する。 この評価後に、機内座席へのご移乗および移動を介助する手段について、設備の選択肢をさらに増やす必要があると判断しました。 完了
2024年8月から9月にかけて、27基のイーグルリフトを新しく購入し、カナダの空港に納入して運用を開始しました。 完了
カナダの小規模な地方空港でイーグルリフトでの介助サービスを提供できるよう、第三者ベンダーと契約を結びました。 完了
複数のリフト製造業者と連携を深め、イーグルリフトの搭載が可能な機種や客室構成の数を増やしています。 進行中
多数のスリング製造業者と協力し、お客様と従業員が安全かつ快適に使用できるスリングモデルを選定しています。 進行中
アクセシビリティへの認識を強化し、そのポリシーを社内で継続的に実践する。 カスタマーアクセシビリティと従業員アクセシビリティの合同運営委員会が主導する堅固なアクセシビリティ統治体制を社内に確立。各部門の副社長が参加し、最高執行責任者(COO)が統括しています。 完了
カスタマーアクセシビリティチームは、アクセシビリティを推進するために、社内のスタッフだけでなく、ユナイテッド航空、ルフトハンザ航空、旅行代理店、ラテンアメリカの第三者業者の地上支援業者などを迎えて、エア・カナダで何度もミーティングを行っています。 完了
アクセシビリティに対する従業員の意識を高める方法を評価する。 この評価の後、さまざまなコミュニケーションプラットフォームや活動にアクセシビリティを組み込むことが、アクセシビリティに対する従業員の意識を高めるうえで重要な役割を果たすと判断しました。 完了
エア・カナダのシニアリーダー400人が参加した2025年のシニアリーダーサミットで、アクセシビリティが重要なテーマとして取り上げられました。炉辺談話では、金メダル2個を獲得したカナダ人パラリンピック選手が、姉とコーチに付き添われながら、自閉症でありながら成功を遂げた自身の経験について語りました。こうした場は、出席者にとって直接パラリンピック選手と対面し、交流できる貴重な機会となりました。 完了
「思いやりと品位」をテーマにしたビデオシリーズを引き続き制作しました。このシリーズでは、お客様から良い評価をいただいた事例を紹介しています。その多くはアクセシビリティに関するもので、事故後初めて旅行されたお客様が、バンクーバーの移乗支援チームの2名に感謝の気持ちを述べた最近のビデオが、シニアリーダーサミットで紹介されました。 完了
カナダ代表チームの公式航空会社として、直近では2024年パリ・パラリンピックに向かう選手、コーチ、サポートスタッフの移動を介助しました。この機会を通じて、多くの従業員が障がいのある人々から学び、さまざまな形で関わることができました。この障がい者アスリートの移動を支援する啓発活動は、障がいに対する意識や親近感を高めるために、SNSおよび社内のコミュニケーションチャネルで配信されました。 完了
2025年にバンクーバーとウィスラーで開催されたInvictus Games(インビクタスゲームズ)の公式航空会社を務めました。カナダ、ブラジル、コロンビア各国のチームの代表選手が大会を往復する際に、従業員が移動のサポートに関わることで学びの機会を得ました。 完了
障がい者コミュニティの協力のもと、エア・カナダにおけるアクセシビリティへの取り組みについて過去から現在までの変化を紹介するビデオを制作。このビデオを、エア・カナダのHidden Disabilities Sunflowerプログラム1周年を記念して2025年1月に発表しました。ビデオでは、2回のパラリンピック出場経験を持つブリアンナ・ヘネシー氏が、旅行中にストレスを軽減し集中を高める方法について紹介しています。また、障がいがあると自認する従業員が、障がいのある従業員としての職場での経験や、職場でどのような支援を受けているかについて語っています。 完了
モントリオール、カルガリー、トロントで開催された、3回のパラタフカップイベントに参加しました。従業員は、これらのイベントを通じてパラスポーツについて学び、障がいについて、あるいは障壁の克服について理解を深めています。実際に他の企業とともにパラスポーツを体験し、車椅子バスケットボール、シッティングバレーボール、そりホッケーなどで競い合いました。そのほか、職場での障壁についても学ぶことができました。このイベントでは、さまざまなカナダのパラアスリートとの炉辺談話も行われました。 完了
視覚障がい者としてデジタルアクセシビリティを提唱するカロリン・ブルドー氏を迎え、セッションを開催しました。このセッションは、IT Accessibility Centre of Excellence(IT分野におけるアクセシビリティ専門組織)とDiverse Abilities ERGと連携して開催され、包摂的なデザインと開発について深い知見を提供するイベントとなりました。 完了
短期:従業員
職場アコモデーションの要請方法を、窓口を整理することで合理化する。 職場アコモデーションの要請手続きを自動化し、合理化するための試験的プロジェクトを開始しました。このプロジェクトの目的は、担当部署が要請を速やかに確認し、評価できるように整えることです。また、全社共通の申請フォームを作成するプロジェクトも立ち上げています。 進行中
職場アコモデーションオフィスは、主な関係者と定期的に会議を行い、アコモデーションの要請手続きを見直して、問題を解決しています。 進行中
職場アコモデーションオフィス(WAO)とその役割に対する意識を向上させる。

従業員アコモデーションポリシーと、職場アコモデーションのプロセスについて、対面式トレーニングを継続的に実施しています。また、今後トレーニングが必要と思われる部門および関係者のグループを特定しました。知識の基盤を広げるために、主要な部門に対してリカレントトレーニングを実施しています。

進行中
DEI推進者(社内で選出された100名の従業員)が、接客を担当する従業員の、職場環境配慮オフィスに対する認知度向上を支援しています。トレーニングの際、すべての従業員に職場環境配慮オフィスの概要を説明しています。 進行中
職場アコモデーションプロセスに関するトレーニングを、すべての管理職従業員に義務化する。 管理職に対し、職場アコモデーションに関するリカレントトレーニングを義務化しました。このモジュールでは、従業員アコモデーションや、職場アコモデーションオフィスについて、またアコモデーションプロセスにおける役割と責任について説明しています。 完了
社内の部門ごとにアクセシビリティ推進者を特定し、その取り組みを支援する。 100人のDEI推進者から成るネットワークを構築。DEI推進者は、年に2回のDEIトーレーニングを受けて知識を修得し、それぞれの職場でDEIおよびアクセシビリティの文化を向上させています。また、互いの職場に関する情報を毎月共有し、推進すべき新しい取り組みについて学んでいます。 完了
アクセシビリティに特化したDEI推進者の小委員会を設立。接客を担当する従業員が懸念する、お客様や従業員のアクセシビリティに関する課題解決に取り組んでいます。カスタマーと従業員のアクセシビリティチームのメンバーが委員長を務め、毎月会合を開いています。 完了
長期:お客様
接客を担当する従業員、管理職、第三者の請負業者を対象としたトレーニングを強化。また、身体的介助を行う従業員や、移動補助具の安全管理を担当する従業員に向けた実践的トレーニングを強化。 空港ターミナル内の従業員を対象に、新しい対面式トレーニングプログラムを策定。障がいのある従業員とその同僚を支援し、包摂性と理解を育む対人スキル(非技術的な能力)を習得するトレーニングを、とりわけインクルーシブ言語や、無意識の偏見への理解に重点を置いて実施しています。このプログラムは2025年1月に正式に開始され、すでに1,500人以上の従業員がトレーニングを終えており、2026年第1四半期までに完了する予定です。 進行中
空港ランプで働く従業員向けに、新しい対面式トレーニングプログラムを策定。障がいのある従業員とその同僚を支援し、包摂性と理解を育む対人スキル(非技術的な能力)を習得するトレーニングを実施しています。このプログラムは2024年10月に開始され、すでに3,200人以上の従業員がトレーニングを終えており、2025年10月までに終了する予定です。 進行中
車椅子バスケットボールのコーチも務めるパラリンピック選手のマイケル・フログリー氏を招き、2種類のトレーニングワークショップを開催しました。2024年にパリで開催されたパラリンピックに向けて、フログリー氏と同じくパラリンピック選手であるMotion社のアダム・ランシア氏が、移動補助具を安全に管理し、貨物室に収納する方法をワークショップで指導しました。このセッションには、約30人の管理職と、接客を担当する従業員が参加しました。また、フログリー氏はランプトレーニング講師と一緒にカスタマーワークショップを行い、障がい者として、またコーチとしての個人的経験や、過去の旅行での経験について語りました。このセッションには、エア・カナダの移動補助具の輸送や移乗技術のトレーニングを担当する約100人の講師が参加しました。 完了
バンクーバーとモントリオールに勤務する社内の移乗支援チームとともに、カスタマーワークショップを実施。障がいのある従業員とお客様を招いて一人ずつ個別に面談し、互いにフィードバックや体験談を出し合いました。 完了
Open Doors Organization(アクセシビリティトレーニングを提供する団体)による専門的なトレーニングを受講している公認の苦情解決担当者を増員。また、このトレーニングの対象者を、業務管理、カスタマーリレーションズ、コンタクトセンター、機内サービスの従業員にも広げました。 完了
旅行アドバイザー向けのオンライントレーニングプログラムを、Air Canada Global Sales University上に作成しました。このモジュールでは、エア・カナダのアクセシビリティオプションや、インクルーシブ言語、また、お客様に合わせて適切な支援を要請することの重要性について学びます。このプログラムは、2025年秋に開始される予定です。 完了
カナダ国内における、障がいのあるお客様の機内座席へのご移乗および移動を改善する。また、移動補助具の安全性を向上させる。 空港ランプで働く従業員向けの対面式トレーニングプログラムを改訂中。アクセシビリティに配慮する対人スキルのほか、お客様の移乗や、移動補助具の収納に関する実践的スキルも盛り込まれます。改訂後のプログラムは2025年9月から導入され、毎年実施される予定です。 進行中
アクセシビリティに関するコンプライアンス結果を分析し、ポリシー改善の可能性について検討する。 社内のあらゆる部門からアクセシビリティの課題が積極的に報告されるよう、体制を強化しました。 進行中
アクセシビリティ指標を示すダッシュボードを作成。ポリシー、手順、トレーニングについて改善が可能なポイントを検討し、改善による効果を全社的に測定します。 進行中
長期:従業員
職場アコモデーションに関するトレーニングを、従業員に定期的に実施する。 主要な部門と関係者を対象に、従業員への配慮に関するポリシーおよびプロセスを指導するトレーニングを継続的に策定、更新し、定期的に実施しています。過去のトレーニングを更新することで内容を強化するほか、新しい情報も組み込んでいます。 進行中
現行のポリシーと手順に対する従業員の認識を向上させる。 アコモデーションプロセスを理解し、その要請前にどのような情報が必要かを従業員が理解できるよう、従業員向けに職場アコモデーションに関する詳細なガイドラインの作成を開始しました。 進行中
職場アコモデーションオフィスは、主要な部門や関係者と連携し、アコモデーションを必要とする従業員の働きやすさを改善します。また、要件に合わせてどこに支援を要請すればよいかを簡単に認識できるよう働きかけます。 進行中
Hidden Disabilities Sunflowerプログラムの支援を目的とする、英語とフランス語で表記された支援者用ピンバッジを採用。これを正式に、従業員が制服に装着することとしました。この支援ピンバッジに付属のガイダンスにより、従業員はサンフラワーストラップを身に付けたお客様をどのようにサポートし、お客様や従業員とともに、包摂性をどのように育むべきかを確認できます。 完了

輸送

この1年間は、移動補助具の安全を管理し、機内座席にご移乗または移動されるお客様を支援し、目に見えない障がいのあるお客様の体験を向上するために、プロセスや設備、トレーニングの改善に注力しました。

取り組み 活動内容 進捗状況
短期:お客様
折りたたみ式の手動車椅子を客室内に安全に収納できるよう、プロセスを改善する。 移動補助具の製造業者や航空機製造業者とデスカッションし、移動補助具を航空機の機種に合わせて最適な方法で収納するための詳細なガイダンスを従業員に提供しています。 進行中
移動補助具が安全に固定され、可能な限り手荷物から離れた場所に配置されているかを確認し、さらに改善が可能な点について調査する。 青いオーバーレイタグを新たに作成。到着時にゲートで移動補助具、ベビーカー、楽器などを返却すべきお客様であることを従業員に知らせるためのシグナルとして使用しています。 完了
ナローボディ機における移動補助具の安全性を強化するため、第三者製造業者や航空機製造業者との協議を継続的に行っています。 進行中
各航空機の貨物室の収納場所を確認し、従業員が移動補助具を積み込む際に起きる破損を減らすためのガイダンスを追加しました。早見表を作成することで、航空機ごとに最も適した収納場所を簡単に確認できるようにしました。 完了
移動補助具の破損や、準備が遅れる問題の解決手順について、改善点を検討および分析する。 移動補助具が破損、または準備が遅れた場合でも、お客様を適切にサポートできるよう、社内のコミュニケーションや第三者ベンダーとの調整方法を見直すと同時に、サービスレベルの基準についても確認しました。 完了
設備が破損または準備が遅れた場合に、その対応プロセスについてお客様に説明するメッセージの内容を見直しました。 完了
IATAのMobility Aids Action Groupが航空会社や地上支援業者向けに発表した、移動補助具の輸送の安全性および連携の強化に向けた新しいガイダンスを確認し、可能な限りこれに従って、移動補助具を使用するお客様の旅行体験を向上させる。 カナダ国立研究機構(National Research Council of Canada)による移動補助具の管理改善に向けた研究プロジェクトを支援し、社内の従業員向けに業務支援システムを構築します。 進行中
航空機内での移動補助具の破損防止を目的としたカイト研究所(Kite Research Institute)の研究のプロジェクトを支援します。このプロジェクトでは、移動補助具が破損する潜在的原因を体系的に調査し、破損リスクを軽減するための資料を作成しています。 進行中
移動補助具の安全管理について説明する実践的なショート動画を作成。従業員用の社内スペースのスクリーンで再生しました。 完了
ウェブサイトに表示する搭乗オプションを説明する内容を改善。旅行時に移動補助具を必要とするお客様が、機内座席へのご移乗および移動にどの方法を選択できるかを、より理解しやすく示す。 機内座席へのご移乗および移動に支援が必要なお客様に提供するオプションについて、ウェブサイトにわかりやすい説明を追加しました。 完了
人の手による移動介助と、イーグルリフトによる移動介助のシンプルなショートビデオを作成し、エア・カナダのウェブサイトに掲載しました。 完了
イーグルリフトを利用できるカナダの空港リストをウェブサイトに掲載しました。 完了
補助犬の訓練や認定に関して専門知識を有する団体と連携し、飼い主が自ら訓練した犬も含め、補助犬の認定制度の対象をより多くの犬に拡大する。 飼い主が訓練した補助犬を数多く評価するため、連携可能なカナダの補助犬団体を探す調査を継続的に行っています。 進行中
機内の化粧室、乗務員呼び出しボタン、エンターテイメントシステムなどのアクセシビリティ機能について理解を深めるため、客室乗務員へのトレーニングを強化する。 機内食に含まれるアレルゲンに関して、お客様からの質問に対応できるよう、客室乗務員のためのアレルゲン情報ライブラリーの開発を開始しました。また、お客様が原材料やアレルゲンに関する説明を、QRコードを使用してオンラインで簡単に確認できるよう、試験的プロジェクトを社内のラウンジで開始しました。 進行中
小型機の運航路線における大型電動移動補助具の輸送を改善する方法を調査する。 取引先であるすべての航空機製造業者と定期的に会合を実施。貨物室ドアが小さいことに起因する問題について説明し、今後の航空機設計で貨物ドアの寸法を拡げるよう求めるとともに、移動補助具専用の貨物コンテナを準備するなど、暫定的な回避策を要請しています。 進行中
すべての航空機の貨物室ドアを安全かつ確実に通過できる大型電動車椅子を導入するために、移動補助具の製造業者と定期的に協議を続けています。 進行中
最初に予約された便の貨物室にお客様の電動車椅子が収まらない場合に、あらゆる対応策をお客さまと検討できるよう見直しを続けています。 進行中
長期:お客様
空港当局と連携し、お客様の移動サポートおよび支援の案内を空港全体で改善する。 カナダ国内のすべての主要なハブ空港と定期的に連絡を取り合い、空港内の主要なフローポイントを特定して、お客様のストレス軽減や、利用されるスペースの改善に向けて継続的に取り組んでいます。 進行中
カナダの中規模空港と連携し、お客様の移動サポートおよび支援の案内の改善に努めています。 進行中
お客様の要件や好みに合わせて支援を提供すると同時に、自立性の向上を図る。 2024年1月に北米でエア・カナダが初めてHidden Disabilities Sunflowerプログラムを採用したことが他に影響し、複数の航空会社がこのプログラムへの参加を表明しています。 完了
2024年11月に機内でストローを配布する取り組みを開始しました。ストローが必要な障がい者のお客様に配慮し、エア・カナダのすべてのフライトでストローをご用意しました。社内の製品部門および環境関連部門と緊密に連携し、環境コンプライアンスの要件を満たすストローを数多く選定。ストローを必要とする従業員やお客様にそれらを試していただき、フィードバックを伺いました。障がいのあるお客様の中にストローが必要な方がおられること、また、要望に応じてストローを渡すことについて、機内サービスを担当する従業員を対象に、認識向上トレーニングを実施しました。 完了
障がいのあるお客様のために、搭乗前の手続きや移動手段を可能な限り効率化し、可用性を改善する。 イーグルリフトの利用を要請したお客様の搭乗券に表示する、スペシャルサービス要請コード(SSR LIFT)を新しく作成しました。このコードにより、従業員は必要な設備を事前に準備し、適切なタイミングで支援できます。 完了
アクセシビリティ設備の可用性が低い一部のグローバル地域において、第三者ベンダーに働きかけ、搭乗時に必要となる支援について明確に説明するなど、設備の可用性の改善に努めています。 進行中
お客様が利用予定の便の航空機に移動補助具を搭載できるかどうかを事前に自ら確認できるよう、ウェブサイトにツールを追加する。 お客様が移動補助具のサイズを入力すると、その搭載が可能な機材をチェックできる計算ツールを作成しました。 完了
航空機製造業者やその関連製造業者に働きかけ、ナローボディ航空機の化粧室アクセシビリティ設計について選択肢を調査する。 ボーイング社、エアバス社、第三者製造業者とともに、ナローボディ航空機の化粧室アクセシビリティ設計について話し合いました。 完了
航空機製造業者およびその他の関連製造業者と連携し、すべての機種において、サイズ、重量、種類の異なる移動補助具をより安全に輸送するために、貨物室、積み込み、固定機能について改善が可能な点を特定する。 アンカーポイントの増設、貨物室内の仕切りの設置など、貨物室を改善して移動補助具の輸送の安全性を強化するために、取引先であるすべての航空機製造業者と協議しました。 完了
すべての航空機の貨物室ドアを安全かつ確実に通過できる大型電動車椅子を導入するために、移動補助具の製造業者と会合を開きました。今後も定期的に協議を続けます。 進行中

建築環境

この1年間は、ユニバーサルデザインに注目し、新しいすべての建設プロジェクトにユニバーサルデザインを設計段階から導入することや、空港のアクセシビリティ機能の情報をお客様に提供することを優先して活動しました。

取り組み 活動内容 進捗状況
短期:お客様
カナダの空港当局、カナダ航空運輸保安局(CATSA)、カナダ国境サービス庁(CBSA)とともに、空港でのお客様の移動支援や案内について改善が可能な点を検討し、開発を行う。 障がいのあるお客様のために、経路案内、標識、搭乗橋、長時間の電動カートサービス、センサリールーム、快適に過ごせる待合エリア、エレベーターのサイズおよび可用性など、インフラを改善するべく、カナダの複数の空港当局と協議しています。これらの取り組みでは、既存のインフラの大規模な改修が必要になるため、完了まで数年を要します。 進行中
ターミナル内の車椅子、機内通路の椅子、スロープなどの設備を追加購入し、快適な方法でタイミングよく車椅子での移動を支援して、移乗を介助できるようにしました。 完了
複数の空港当局と連携し、障がいのあるお客様の支援を目的に、空港のインフラを改善する方法を検討するラヴァル大学主導の研究プロジェクトを支援しました。 完了
障がいのあるお客様が空港内を自立的に移動するための改善策を空港当局とともに検討する。 障がいのあるお客様が自立して移動および移乗するための支援に活用できるテクノロジについて、カナダの複数の空港当局と検討しています。 進行中
保安検査後の補助犬用リリーフエリアを常時提供できるよう、空港当局と連携し、協議を続けています。 カナダのすべての大規模および中規模空港で、保安検査後に補助犬用リリーフエリアを利用できることを確認しました。 完了
感覚/情報処理に関して障がいのあるお客様をお迎えできるスペースを設置するために、空港当局と協議を続けています。 感覚/情報処理に関して障がいのあるお客様をお迎えする専用スペースについて、カナダの複数の空港当局と検討を進めています。エドモントン国際空港が、2025年4月にセンサリールームを正式に開設する際の支援を行いました。 進行中
アクセシビリティサービス(旧メディカルアシスタントデスク)、メールのやり取り、エア・カナダのウェブサイトなどで、アクセシビリティ機能や車寄せでの支援に関する情報が掲載された空港当局のウェブサイトをお客様にご案内する。 お客様への最初の段階でのご連絡を、アクセシビリティ要請コードに基づいて調整する取り組みを開始しました。お客様にメールを送信して要請の内容をチェックし、空港や機内の装備に関して有益な情報をお送りすることで、情報に基づいてスムーズに、また快適にご旅行いただきます。これらのメールには、車寄せでの支援を空港当局に要請する方法も記載されています。 完了
エア・カナダのウェブサイトに、カナダの空港で車寄せの際の支援が提供されていることや、その要請方法を記載するセクションを追加しました。 完了
短期:従業員
障がいのある従業員のための緊急時の手順を強化する。 緊急管理部門と連携し、避難の際の手順を個別に調整して作成することについて、認知度および可用性を高めるよう努めました。今後もこれを継続します。同時に、その手順をよりユニバーサルにするための改定を進めています。 進行中
監査計画を策定し、エア・カナダが所有または運営する既存の建築環境の評価を専門コンサルタントに依頼する。 現在および今後のプロジェクトの成功に必要となるアクセシビリティのレベルについて検討するための報告体制を確立させました。その成果として、設計および計画段階だけでなく、施工段階にもユニバーサルアクセシビリティの原則が導入されています。 完了
従業員アクセシビリティ、および職場アコモデーションを担当する責任者が、Rick Hansen Foundation(リックハンセン財団)による基礎トレーニングの認定を2024年の秋に取得しました。コーポレート不動産部門と連携し、すべての関連プロジェクトにアクセシビリティが組み込まれるよう、社内の建築環境アクセシビリティ専門家として活動しています。 完了
2024年12月、カスタマーと従業員のアクセシビリティチームが終日の会合を開催し、エア・カナダのコーポレート不動産部門、Rick Hansen Foundationの代表者、およびバンクーバー空港公団の代表者と話し合いました。 完了
長期:お客様
空港内での支援について、空港当局、カナダ航空運輸保安局(CATSA)、カナダ国境サービス庁(CBSA)と協議しながら、建築環境の改善が可能な点について検討および分析する。 障がいのあるお客様のために、経路案内、標識、搭乗橋、センサリールーム、快適に過ごせる待合エリア、エレベーターのサイズおよび可用性などのインフラを評価し、改善が必要な部分を特定しました。これらの改善点について、今後の設計および建設プロジェクトで検討されるよう、カナダ国内の複数の空港当局に申し入れました。これらの取り組みでは、既存のインフラの大規模な改修が必要になるため、完了まで数年を要します。 進行中
長期:従業員
建築環境の改善点についてリストを作成し、優先順位を決める。 モントリオール本社の洗面所の改修工事を2025年第2四半期に開始しました。引き続き、本社のエレベーターの改修も行っています。 進行中
モントリオールトルドー空港では、障がいのあるお客様と従業員のために、ユニバーサルデザインをエア・カナダ カフェに導入しています。また、メイプルリーフラウンジおよびカフェでも、引き続き改修や建設の際にユニバーサルデザインを組み込んでいきます。 進行中
モントリオールトルドー空港では、障がいのあるお客様と従業員のために、ユニバーサルデザインをエア・カナダ カフェに導入しています。また、メイプルリーフラウンジおよびカフェでも、引き続き改修や建設の際にユニバーサルデザインを組み込んでいきます。 現在の報告体制に基づき、各プロジェクトのアクセシビリティレベルを監視し、完了時に評価を行うことで、継続的にユニバーサルデザイン原則の導入を進めています。 進行中
アクセシビリティに配慮した緊急時対応の可用性と、その方法および改善について検討する。 アクセシビリティに配慮した緊急時対応の可用性を高めるための検討を進めています。実際に体験した従業員から話を聞き、アクセシビリティやユニバーサルデザインの原則が緊急時対応に組み込まれているかを確認しています。 進行中

雇用

この1年間は、主要な部門や部署において職場アコモデーションプロセスを調整することを優先し、職場アコモデーションの重要性とそのプロセスについて、リーダー層向けトレーニングを実施しました。また、職場環境への配慮が社内で均等に行われるよう、管理部門間の連携を強化しました。

取り組み 活動内容 進捗状況
短期:従業員
アコモデーションプロセスを部門別および部署別に作成する。 主要な業務およびビジネス部門を対象に、アコモデーションプロセスを継続的に作成および調整しています。プロセスを変更した場合にトレーニングを行うほか、職場アコモデーションオフィスが利害関係者と定期的に会合を開き、プロセスのさらなる改善について検討しています。 進行中
長期:従業員
アクセシビリティを要請、または障がいを申告した従業員に対する入社時のサポートに使用するツールについて検討しています。 進行中
採用ポリシーを調整し、雇用開始前にアコモデーションを要請された場合の対応について、利害関係者と継続的に協議しています。 進行中
障がいに対する偏見をなくし、意思決定、ポリシー、および手順に、アクセシビリティへの配慮が通常の業務の流れとして組み込まれるようにする。 上級副社長兼最高執行責任者のマーク・ナスルは、Diverse Abilities ERGの主催者です。自身の体験を紹介するとともに、障がいのある従業員への障壁を取り除くというERGのミッションを支援しています。 進行中
企業文化の変革を進めながら、職場におけるアクセシビリティのプロアクティブな対応に向けて努力を続けています。IT、コーポレート不動産、グローバル人事などの主要な部門が、新規プロジェクトを計画したり、そのプロセスを改善したりする際に、アクセシビリティチームに意見を積極的に求めています。 進行中
職場アコモデーションプロセスに関する対面式トレーニングを実施する。 カナダ国内にあるエア・カナダの空港、コンタクトセンター、人事部門、経営陣など、主要な部門に対し、従業員アコモデーションポリシーおよび職場アコモデーションプロセスに関するトレーニングを継続的に実施しています。このトレーニングは今後も定期的に行う予定です。 進行中
アコモデーション要請プロセスの自動化を完了する。 矛盾がなく公平な職場環境で従業員が働けるよう、自動化プロジェクトを進めています。プロジェクト全体が実現するまでの間、暫定的な自動化プロセスを試験的に運用しています。 進行中
トレーニングの場所、種類、形式に関係なく、アクセシビリティに関するトレーニングを提供できる方法を検討する。 トレーニング部門による、数年間のトレーニング更新計画を支援しています。このプロジェクトで、障がいのある従業員の視点からトレーニングを設計できるよう支援します。トレーニング設計後も、従業員の多様性を考慮したアクセシブルな方法でトレーニングを実施できるよう、引き続きトレーニング部門を支援していきます。 進行中

情報通信テクノロジー

この1年間は、ウェブサイトとアプリのアクセシビリティを継続的に改善することに集中し、デジタルチャネルを使用したお客様とのコミュニケーションの改善に取り組みました。

取り組み 活動内容 進捗状況
短期:お客様
支援テクノロジを活用し、ウェブサイトやお客様向けアプリのユーザー体験を改善するとともに、神経多様性のあるお客様の顧客体験向上に努める。 デジタルアクセシビリティのトレーニングを、プロダクトオーナー、デザイナー、開発者が所属するデジタル部門に対して実施。その後も設計段階から積極的にデジタルを導入しています。 完了
デザイン体系を統一し、エア・カナダの各部門がデジタルシステムの構築時に参照すべき情報を1箇所に集めることで、アクセシビリティ基準を簡単に、また統一された方法で適用できるようにしました。 完了
エア・カナダのホームページのデザインを変更し、ページのナビゲーションと、全体的なアクセシビリティを改善しました。 完了
ダークモードとダイナミックテキストのサポートをアプリに追加することで、ユーザビリティを向上させました。 完了
ウェブサイトとアプリのエンドユーザーの中から、障がいに関してさまざまな実体験を持つお客様を集めてチームを編成し、監査および探索的テストを実施しました。 完了
ゾーン別の搭乗時アナウンスなど、より多くの情報をテキストメッセージで通知する。 この取り組みを、テキストメッセージではなくアプリで通知を行うよう見直すとともに、アプリで通知する項目を増やしました。 完了
カナダの空港当局に対し、搭乗ゲートの情報表示画面に字幕や手話による表示を追加するよう要請。これは空港当局の責任で行われ、すべての航空会社で利用されます。バンクーバー空港公団が最初に、手話を使用した搭乗手続きの説明を試験的に行っています。 進行中
視覚に障がいのあるお客様に機内エンターテインメントを簡単にご利用いただけるよう、コミュニケーションを改善する。 お客様への最初の段階でのご連絡を、アクセシビリティ要請コードに基づいて調整する取り組みを開始しました。お客様にメールを送信して要請の内容をチェックし、空港や機内の装備に関して有益な情報をお送りすることで、情報に基づいてスムーズに、また快適にご旅行いただきます。視覚に障がいがあるお客様には、アクセシビリティに配慮した機内エンターテインメントの提供に関する情報も、メールに記載しています。 進行中
デジタルアクセシビリティに関する声明をウェブサイトに表示し、推奨されるブラウザとスクリーンリーダーの組み合わせを記載。また、ウェブサイトやアプリに見られるデジタルアクセシビリティの問題について、フィードバックをシンプルに送信するための仕組みを確立。 苦情プロセスを簡素化。エア・カナダのウェブサイトやアプリで見つかったアクセシビリティに関する問題を、お客様が簡単に報告できるようオプションを追加しました。 完了
長期:お客様
アクセシビリティに配慮した手荷物用タグを開発し、到着時にどのターンテーブルに荷物が届くかをアプリやテキストメッセージなどで通知する方法を検討する。 新しい手荷物追跡機能をアプリに追加。手荷物の追跡番号やターンテーブルの情報をお客様がアプリで確認できます。 完了
機内でスクリーンに表示される字幕や手話の改善方法について検討および分析を行う。 機内エンターテインメントシステム提供会社と連携し、字幕や手話を使用した機内アナウンスの導入について可能性を検討しています。 進行中
視覚に障がいのあるお客様に、機内エンターテインメントのアクセシビリティモードをより便利にお使いいただけるよう検討および分析を行う。 機内エンターテインメントのアクセシビリティモードを、どうすればお客様が自ら利用できるかについて、機内エンターテインメントシステム提供会社と何度も協議を重ねました。この件については今後も話し合いを続けていきます。 進行中
長期:従業員
情報通信テクノロジープロジェクトの初期段階で、デジタルアクセシビリティを効率的に組み込む方法について検討する。 障がいがあり障壁を体験しているアナリストを集めて品質保証チームを編成。製品やサービスのエンドユーザーテストの改善に取り組んでいます。支援テクノロジを使用するユーザーが直面する障壁を特定することを目的に、監査や探索的テストを行っています。 完了
新規プロジェクトの計画段階からデジタルアクセシビリティを組み込めるよう、IT部門を支援しています。ユーザーガイドには、アクセシビリティに関する声明を記載しました。最近では、人事アプリケーションに最新のアクセシビリティ機能を組み込むことで、WCAGの準拠を実現しました。 進行中

情報通信テクノロジー以外によるコミュニケーション

この1年間は、お客様および従業員との情報伝達手段を、すべての人に行き渡らせるための努力をしました。

取り組み 活動内容 進捗状況
短期:お客様
エア・カナダアクセシビリティサービスの包摂的な役割がより明確に伝わるよう、また、障がいのあるお客様にとってより魅力的に感じられるように名称を変更。 2024年12月に「メディカルアシスタントデスク」から「アクセシビリティサービス」に名称を変更しました。この新しい名称は、医療モデルから社会モデルへの転換を表しており、「旅行をよりアクセシブルに」というエア・カナダの目標をお客様と従業員に伝えることを意図しています。 完了
アクセシビリティ関連の標識、アイコン、イラストの大部分を細部までチェックし、お客様に配慮した言葉づかいやイメージが一貫して使用されていること、敬意や包摂性が保たれていることを確認しました。 進行中
年次総会や投資家向けイベントなどでの手話通訳や字幕の必要性について検討および分析する。 2024年のインベスターデイをRick Hansen Foundationのゴールド認証を受けた施設で開催し、字幕およびASL/LSQ(アメリカ手話/ケベック手話)による通訳をライブで提供しました。参加者はアクセシビリティサービスを利用して登録を行いました。 完了
エア・カナダの2025年の年次総会では、ASL(アメリカ手話)、LSQ(ケベック手話)、ライブ字幕が提供されました。 完了
ウェブサイトやアプリの各関連ページにアクセシビリティに関する情報を表示し、アクセシビリティ情報メインページへの参照リンクを記載する。 アプリの「Journey(旅程)」機能に新しいmoment(瞬間)を追加。ここからaircanada.comのアクセシビリティサービスページに移動し、カナダのハブ空港で利用可能なアクセシビリティサービスを参照できます。 完了
昨年、エア・カナダのウェブサイトに、アクセシビリティサービスハブの最初のイテレーションを登場させました。このセクションに表示する情報や、その利便性についてさまざまなフィードバックを収集するために、アクセシビリティ諮問委員会のメンバーとセッションを行いました。これらのフィードバックを参考に次のイテレーションを作成し、改良を続けていきます。 完了
2025年4月に、エア・カナダのウェブサイトに新しいタイルメニューを追加。車寄せでの支援、空港での車椅子サービスの種類、個人用移動補助具などに関する詳しい情報を掲載しました。アクセシビリティ諮問委員会の詳細や、各委員の経歴を紹介するセクションも追加しています。 完了
短期:従業員
会議、対話集会、従業員向けイベントでのアクセシビリティへの配慮を強化する方法を検討する。 2025年の第1および第2四半期に、AI自動生成によるライブでの文字起こしと翻訳の試験運用を行いました。現在は、全社的な導入に向けて評価を行っています。 進行中
アクセシビリティに配慮した包摂的な会議を開催するためのツールキットを開発する。 アクセシビリティに配慮した、包摂的な会議を開催するためのツールキットを開発しています。 進行中
長期:お客様
エア・カナダアクセシビリティサービスで利用できるサービスを拡張させる方法について検討および分析を行う。 アクセシビリティサービス(旧メディカルアシトタンスデスク)の営業時間を延長しました。現在は、午前6時から午後10時(米国東部時間)まで、週7日営業しています。 完了
旅行の各行程で、予約の際にお客様が入力するアクセシビリティ関連の情報を、従業員や外部サービス提供者に伝達する手段の改善方法について検討および分析する。 エア・カナダのお客様支援を担当する従業員が、よりきめ細かなサービスを提供するために、顧客情報の格納および伝達方法を最適化するための検討を開始しました。 進行中
アクセシビリティサービスを書面で要請されたお客様に、利用可能なサービスや旅行前の注意事項などの有益な情報を記載したメールを送信。 お客様への最初の段階でのご連絡を、アクセシビリティ要請コードに基づいて調整する取り組みを開始しました。お客様にメールを送信して要請の内容をチェックし、空港や機内の装備に関して有益な情報をお送りすることで、情報に基づいてスムーズに、また快適にご旅行いただきます。 完了
長期:従業員
よりアクセシビリティに配慮しながら従業員とコミュニケーションを取る方法について検討する。 社内のコミュニケーションや職場での会話が、包括的言語のベストプラクティスに沿う形で行われるよう、包摂的言語ガイドを社内向けに作成する準備を進めています。 進行中
聴覚に障がいまたは困難のある従業員が所属する部署を対象に、手話トレーニングの実施を検討する。 手話を使用するお客様や従業員とのコミュニケーションの改善を目的として、接客を担当する従業員にASL(アメリカ手話)およびLSQ(ケベック手話)の基本的な単語や表現を教えるための調査を進めており、試験的プロジェクトを行っています。聴覚に障がいのある、または難聴の従業員を支援するため、テクノロジーを活用したツールを継続的に使用しています。 進行中

物品、サービス、設備の調達

この1年間は、アクセシビリティ要件をエア・カナダの標準的な調達手続きに組み込むことに注力しました。

取り組み 活動内容 進捗状況
短期
アクセシビリティサービスの提供が可能なサプライヤー(平易な言語のライター/編集者/翻訳者、編集、翻訳、点字、デジタル、音声、字幕、音声ガイド付きビデオ、手話通訳など)を探す。 アクセシブルな文書の作成から開始し、アクセシビリティサービスのサプライヤーデータベースの作成を続けています。 進行中
Inclusive Workplace and Supply Council of Canada(カナダの包摂的な職場および調達協議会、IWSCC)の会員に登録しました。 完了
提案依頼書や契約書にアクセシビリティ要件を組み込む新たな機会について、評価および分析を行う。 米国のアクセシビリティ関連ベンダー向けに提案依頼書を作成。顧客体験を向上させるための新たなアクセシビリティ要件や、サービスレベル合意を追加しました。 完了
ラテンアメリカおよびカリブの地域で、必要な搭乗支援設備をベンダーが提供できていない空港を特定。高度な設備を手配するよう、ベンダーとの交渉を続けています。現在、すべての契約書を、高度な搭乗支援設備を要件に含めて作成しています。 完了
長期
カナダの空港当局、保安および税関と連携し、アクセシビリティに配慮した調達におけるシナジーの機会を探る。 カナダ国内の大規模および中規模空港当局と協議することで、アクセシビリティに配慮した調達や提携先について深い知見を得ています。 進行中

後援活動と地域との連携

私達は、包摂性を育む、障がいへの認知を促進する、地域社会にポジティブな影響を与えるなどの貢献活動を、障がい者コミュニティやその他の関係者を代表する組織と連携しながら積極的に進めています。

こうしたつながりは、私達の取り組みやサービスを、障がい者コミュニティのさまざまな団体に知ってもらうために重要です。私達は、お客様により多くの情報と選択肢を提供し、不安や懸念を軽減していただくこと、また、現在および将来の従業員に向けてより包摂的な就業機会を創出することを目標に活動を続けています。

Autism Aviation Days(自閉症スペクトラム向け航空体験イベント) – Canucks Autism Network(カナックス自閉症支援ネットワーク)、Autism Edmonton(エドモントン州の自閉症支援団体)、その他の地域の自閉症支援団体

  • 私達は、エア・カナダ財団によるAutism Aviation Daysとの協力を強化しています。数日間のシミュレーション旅行では、ご家族自身でまずチェックインを行った後、指定されたチェックインカウンターに行き、紙の搭乗券を受け取って、保安検査を通るなど、実際の旅行とほぼ同じプロセスを踏んでいただきます。機内では、滑走時の飛行機の音さえも再現されます。このイベントは、本物に近い旅行を参加者の皆様に体験いただくこと、また、アクセシビリティを配慮した空の旅について深い知見を得ることを目的としています。2025年に、カナダ国内で6つのイベントに対する支援を計画しています。これにより、カナダの複数の自閉症支援団体(Canucks Autism Networkなど)や、空港当局との関係強化を目指しています。最初に、Autism Edmonton(エドモントン自閉症支援団体)およびエドモントン国際空港との共同イベントが4月に開催されます。また、Autism Aviation Daysでは、機内で使える便利なアイテムを揃えたスペシャルキットを作成し、参加者の皆様に配布します。

障がい者諮問委員会(Comité consultatif des personnes handicapées)

  • 2017年に障がい者諮問委員会が設立されました。エア・カナダの代表者が当初から委員会に参加し、2024年から執行委員会のメンバーを務めています。この委員会での活動を通じ、職場でのインテグレーションとリテンションの観点から、障害のある方々の労働市場における課題と懸念について知識を吸収しています。また、従業員への障壁をなくし、退職者を減らすために、インテグレーションのベストプラクティスを特定して推進することにも取り組んでいます。
  • 2025年3月に、障がいのある従業員の職場における包摂性をテーマとした委員会フォーラムを、モントリオール本社にて主催しました。このフォーラムは、政府関係者や企業関係者がアクセシビリティに配慮した雇用について意見を交換する機会となりました。エア・カナダのグローバル人事担当副社長が開会の挨拶を行い、多数の従業員がボランティアとして終日会議に参加して活動しました。
  • 2024年には、この委員会とつながりのあるコミュニティともネットワークを築き、さまざまな障がいのある方々への採用活動を行いました。その際に採用した3名が、エア・カナダの品質保証ユーザーテストチームで働いています。

ILL-Abilities(イル・アビリティーズ)

  • 過去数年間、エア・カナダはILL-Abilitiesのイベントを支援してきましたが、2024年にそのパートナーシップをより緊密化しました。ILL-Abilitiesは、さまざまな障がいのある国際的なプロダンサーで構成されており、年齢層や能力の異なる人々にワークショップ、演劇パフォーマンス、あるいはモチベーションが高まるエンターテイメントを提供しています。エア・カナダは、移動補助具を使って踊ることに健常者のダンサーが挑戦する独創的なダンスコンペティションを主催しました。昨年より、エア・カナダはLuca “Lazylegz” Patuelli氏をAccessAbility Weekにゲストスピーカーとして招いています。そのAccessAbility Weekを、ILL-Abilitiesがパリのパラリンピックカナダハウスで一夜主催しました。メンバーはリオデジャネイロで開催されたRed Bull BC One(レッドブル主催のブレイクダンス大会)にも参加し、Invictus Games Vancouver Whistler(バンクーバーウィスラーで開催されたインビクタスゲームの大会)への移動の際に支援を受けました。ILL-Abilitiesの公演活動や知名度の向上は、障がい者の能力や社会貢献に対する世間の認識を変えつつあります。また、メンバーは旅行コンサルテーションの面でもエア・カナダと協力し、旅行体験やエア・カナダのサービスについてフィードバックを提供しています。

コンコルディア大学奨学金

  • エア・カナダは、障がいのある学生のための奨学金制度をコンコルディア大学(Concordia University)に設立し、障がいのある学生の教育および就業の機会を促進しています。この取り組みは、多様性、公平性、包摂性に対するエア・カナダのコミットメントの一環であり、障がいのある学生に航空業界や空運業界でのキャリアを目指すきっかけを与えることを目指しています。奨学金は年間5,000ドルで、障がいのある学生を支援するコンコルディア大学アクセスセンターに登録しているフルタイムまたはパートタイムの学生を対象に支給されます。

キングスカレッジ大学のアートショーケース

  • エア・カナダは、障がいというテーマを学術講演、芸術的な発表、地域社会との交流を通じて多分野にわたり探求する画期的な取り組み、2025 Disability Lecture Series(2025年障がいに関する講演シリーズ)を支援しました。ノバスコシア州ハリファックスにあるキングスカレッジ大学(University of King’s College)と共同で主催した今回のシリーズには、知的障がいのあるアーティストを称え、表現や包摂性をテーマとした有意義な対話を促す「アートショーケース」も含まれています。このシリーズにより、障がい者差別や植民地主義を想起させる言葉に対し、批判的に質問するために必要な語彙力を学生が習得することを目指しています。

Spinal Cord Injury BC(脊髄損傷者支援団体)

  • 2025年1月に、バンクーバー空港公団およびGFストロングリハビリテーションセンターと提携し、飛行機体験ツアーに参加しました。ツアー中、アクセシビリティに配慮したチェックイン、移動介助設備のタグ、搭乗口エリアや搭乗方法など、旅行の際の重要なポイントを参加者に簡単に説明しました。エア・カナダの従業員と脊髄損傷者支援団体のメンバーが、人間が介助する方法と、イーグルリフトを使用する方法の2種類の介助を実演しました。体験ツアーのすべての場面で、参加者が質問をする機会が設けられました。

Canadian Foundation for Physically Disabled Persons(カナダ身体障がい者支援財団:CFPDP)

  • CFPDPは、身体的障がいのある方々が、自身の可能性を最大限に発揮し、夢を追い求めるために支援することを使命として、多くの啓発活動や教育的な取り組みを主導する団体です。また、身体的障がいに対する社会の認識を向上させ、一般市民、政府、ビジネス界に知識を広めると同時に理解を求めることを任務としています。エア・カナダは過去数年間、同財団の代表的な年次イベントであるGreat Valentine Gala(グレートバレンタイン・ガラ)を支援してきました。このイベントでは、障がいのある方々の功績やその支援者を称えるための募金を行っています。また、障がいのある方々の傑出した功績と地域社会への貢献を称えるCanadian Disability Hall of Fame(カナダ障がい者殿堂)の支援活動にも参加しています。プログラムやサービスに直接的な資金援助を行い、委員会活動やその他の取り組みを通じて専門的な指導および知識を共有することで、カナダ国内の身体的障がい者を支援するCFPDPの貢献活動を、エア・カナダが資金およびリソースの面で支えています。