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エア・カナダ アクセシビリティ計画
2023~2026年

概要

エア・カナダは長いあいだ、空の旅をできるだけ身近なものにするための努力をしてきました。このアクセシビリティ計画(以下、「計画」)は、私達をその方向へさらに進めていくものです。私達は障がいのある従業員とお客様のアクセシビリティが改善されることを望んでいます。なぜなら、尊厳のある安全な空の旅と有意義な雇用の機会は、すべてのカナダ人にとって重要な要素だからです。

この計画を、私達だけで作成したのではありません。障がいのあるお客様や従業員と対話をし、エア・カナダのアクセシビリティについて意見を聞くなど、フィードバックを取り入れながら作成しています。

この計画では、今後3年間で私達がアクセシビリティに向けた取り組みをどのように進めていくかを説明します。ここでの「アクセシビリティ」とは、安全で尊厳のある旅行や雇用の妨げとなる障壁をなくし、より多くの人にエア・カナダのサービスをご利用いただくこと、また雇用の機会を提供することを意味します。

私達はすべての関係者と協力しながら、以下の優先すべき分野に取り組んでまいります。

  1. アクセシビリティのトレーニングを従業員に行い、お客様に最高のサービスを提供する。
  2. お客様と従業員のアクセシビリティに配慮したウェブサイトとアプリ。
  3. アクセシビリティに配慮したエア・カナダの製品やサービスについて、お客様が簡単に情報を入手したり、必要であることを簡単に知らせたりするための手段。
  4. 移動補助具の安全を関係者全員で管理する。
  5. 飛行機の座席への移乗および移動。
  6. 空港内の移動支援とガイダンス支援。
  7. インフラのアクセシビリティ強化。
  8. アクセシビリティを製品とサービス(航空機を含む)の設計段階に組み込む。
  9. 新入社員の採用活動と雇用におけるアクセシビリティの強化。従業員アコモデーションプロセスの改善。
  10. 従業員リソースグループのサポートとアクセシビリティ諮問委員会の作成。

これらの分野で、アクセシビリティ強化に向けたアクションおよび戦略を改善させる現実的な方法を探り、その目標を達成するために必要な行動について調査します。

一般事項

1.1.エア・カナダの使命

エア・カナダは、カナダ国内便、カナダ・米国国境、カナダ発着の国際便の市場で定期旅客航空サービスを提供する大規模航空会社です。カナダと世界をつなぐことを使命とし、質の高いカスタマーサービスをご提供するとともに、尊厳のある快適で安全な空の旅を乗客の皆様にお届けするよう努力しています。カナダを代表する航空会社として、エア・カナダはアクセシビリティの推進を私達が果たすべき役割と認識し、空の旅をできるだけ身近なものにするために努力を続けてきました。

私達はさまざまな能力を持つ従業員、お客様、その他すべての方々の包摂性を推進し、すべての人が尊厳と自立心を保てるよう公平に接します。

私達はAccessible Canada Act(カナダのアクセシビリティ法)に従い、Canada Transportation Act(カナダの運輸法)に基づくエア・カナダの義務を考慮して、この計画を作成しました。今後も、これらの規定に従って計画を実施していきます。

1.2.エア・カナダの取り組み

エア・カナダのマイケル・ルソー社長兼最高経営責任者(CEO)は、私達のアクセシビリティポリシーの取り組みが、以下の継続的に注目すべき3つの主要分野に反映されていることを確認しました。

  • 企業文化:お客様と従業員の声に耳を傾け、ニーズを深く理解し、尊敬と尊厳の文化を育む。
  • リーダーシップ:ビジネスやパートナーシップへの判断にアクセシビリティを取り入れることで、お客様と従業員の体験を向上させる。
  • トレーニング:お客様と従業員に奉仕するために必要なトレーニングとツールを強化する。

1.3.これまでの成果と、継続させる取り組み

私達はアクセシビリティの活動を何年も続け、以下のような成果を上げてきました。

  • エア・カナダは9年前に、アクセシブルモードフルサポートの機内エンターテイメントシステムを開発した最初の航空会社になりました。このモードでは、視覚に障害のあるお客様が、音声案内のみで画面をすべて操作できます。以来、新しい航空機にはこれを必ず追加しています。
  • IATAのMobility Aids Action Group(移動補助具活動グループ)と連携し、移動補助具を安全に輸送するための効率的なフレームワークを開発するなど、国際航空業界をけん引する役割を果たしました。
  • トレーニングにおいては、障害のあるお客様から自らの実体験について話を聞くなど、最高水準のプログラムを導入し、従業員の意識向上に役立てています。
  • 国際的な業界団体、アクセシビリティ団体、航空機および移動補助具製造業者、安全規制当局などと協力し、航空旅行への障壁を減らすための安全対策ソリューションを開発しています。これらの団体には、国際航空運送協会(IATA)、アメリカ航空協会(A4A)、カナダ国家航空協議会(NACC)などが含まれます。これにより、世界各地でアクセシビリティ基準を一斉に向上させるという、航空旅行のアクセシビリティの鍵を握る重要な部分の改善を目指しています。

1.4.航空輸送システムについて

航空機の運航には、空港当局、地上係員、手荷物係、税関および保安機関、航空機製造業者など、複数の関係者との緊密な連携が必要です。それぞれが複雑なグローバルエコシステムの重要な役割を果たすことで、空の旅を作り上げています。エア・カナダなどの航空会社も、これらの関係団体と連携しながら、尊厳のある安全な空の旅をエンドツーエンドで提供しなくてはなりません。

アクセシビリティの改善にも同様に、業界規模での変革や、広範なコラボレーションが必要になることが少なくありません。その実現可能性やタイミングは、運用面や財務上の条件、および安全規制など多くの要因に左右されますが、そこには設計、製造、サプライチェーンの問題、安全上の課題、テスト、その他の規制要件、技術的制限などの要因も含まれることから、業界の一団体だけでは判断できない場合もあります。たとえば、航空機の設計、開発、製造などは、製造業者、サプライヤー、規制当局と協力し、何年もかけて取り組むべき複雑なプロセスになります。

エア・カナダの従業員も、このようなエコシステムの中で身体的、認知的に要求の厳しい広範な作業を行う必要があります。

1.5.アクセシビリティ計画へのフィードバック

アクセシビリティに関するフィードバック(この計画へのフォードバックを含む)、または、このアクセシビリティ計画を別のフォーマットで入手したい、フィードバックの手順を説明して欲しいなどリクエストがある方は、下記のいずれかの方法でお知らせください。お選びいただいた方法で、こちらからも返信いたします。フィードバックは匿名でもかまいません。

電話:
1-888-422-2408 (TTYおよびビデオリレーに対応)

郵送:Director, Diversity, Equity and Inclusion(多様性、公平性、包摂性担当責任者)
7373 Cote-Vertu Blvd.West
Ville Saint-Laurent, Quebec
H4S 1Z3
ZIP 1261

Director, Customer Accessibility
525 rue Viger
Montreal, Quebec
H2Z 1G6

1.6.アクセシビリティに関する規制

エア・カナダは、Accessible Transportation for Persons with Disabilities Regulations(障がい者のためのアクセシビリティに配慮した交通に関する規定)(SOR/2019-244)の第1部、第2部、第3部の適用を受けます。

コンサルテーション

2.1.私たちのことを私たち抜きで決めないで

エア・カナダのアプローチは「私たちのことを私たち抜きで決めないで(Nothing about us without us)」の原則に従うものであり、このアクセシビリティ計画は(従業員を含む)障害のある人々との直接的なコンサルテーションによる成果に基づいて作成されています。独立系コンサルティング会社に協力を依頼し、障害のあるお客様や従業員が安心してフィードバックを提供できる、積極的な対話を促す、対象者の体験をより深く理解するなどを目標として、コンサルテーションを企画および実施しました。

2.2.対象者

お客様

障がいのあるお客様とのコンサルテーションを、諮問委員会、ワーキンググループ、航空旅行のお客様、実地テストの4つの方法で実施し、体験への理解を深めました。実地テストでは、予約から到着までの流れをお客様が実際に体験し、数か月をかけて報告を行いました。視覚や聴覚に障害がある、移動が困難である、さまざまな認知障がい、神経多様性、メンタルヘルスに問題があるなどのお客様が参加しました。電動車椅子などの移動補助具を利用するお客様や、補助犬を同伴するお客様もおられました。

従業員

当社は、障がいを申告している従業員を対象に、フォーカスグループおよびアンケート調査を実施して意見を伺いました。フォーカスグループには、エア・カナダのさまざまな拠点で勤務する、職種も業務経験も異なる多くの従業員が参加しました。また、アクセシビリティ、障壁、エア・カナダでの体験についてそれぞれアンケートを作成し、世界各国で勤務する従業員に送りました。さらに、従業員が手動するDiverse Abilities Employee Resource Group(多様な能力を持つ従業員リソースグループ)のメンバーからもフィードバックを収集しました。

その他の関係者

政府機関、規制当局、その他の業界関係者からアクセシビリティについて話を伺いました。

2.3.今後の活動

今後も一定のサイクルでコンサルテーションを行い、一般の方々、お客様、各種団体、および従業員から積極的にフィードバックを収集します。「私たちのことを私たち抜きで決めないで」の原則に従い、以下の分野に優先して取り組みます。

  • エア・カナダのDiverse Abilities ERGや、その他のERGとコンサルテーションを行う。
  • 包摂的な労働力の構築や、職場におけるアクセシビリティ推進に注力する地域コミュニティ団体とのパートナーシップを強化する。
  • お客様のフィードバック窓口と指標を拡充し、フィードバックの体制を整えて顧客体験の向上に努める。
  • 2023年に設立した、障がいのあるお客様による諮問グループにより、お客様の体験の再創造、および再構築を目的としたElevating the Customer Experience(顧客体験向上)プログラムに有益な情報を提供する。

エア・カナダはAccessible Canada Act(カナダのアクセシビリティ法)に従って年次報告書を発行し、アクセシビリティ計画の更新と、アクセシビリティ目標達成への進捗報告を行います。

主要分野

以降では、障がいのある人々がコンサルテーションで話した体験談により特定された課題を基に考案した、障壁の特定、防止、解決のための、あるいは、その目標に向けて何が必要かを評価するための戦略および活動について、以下の3つの段落に分けて詳しく説明します。

  • 進行中の活動
  • 短期的な活動
  • 長期的な活動

私達は、以降のセクションで説明する分野を優先し、活動を進めていきます。進捗について毎年情報を更新し、新たな障壁が見つかったり、活動中に方針を変更した場合は、計画の見直しを行います。

プログラムとサービスの設計および提供

お客様は、予約手続き、チェックインカウンターから空港内への移動、搭乗口への移動、航空機の乗り降り、航空機での移動など、さまざまな場面でエア・カナダのサービスを体験します。これらのすべての場面でお客様に快適にお過ごしいただくよう、エア・カナダは数々のポリシーおよびプロセスを制定するとともに、従業員を対象に質の高いトレーニングを行っています。

4.1.特定された課題

お客様

  • 乗降時の支援、移動補助具の安全管理、視覚や聴覚に問題のあるお客様への特別なブリーフィングなど、一部サービスの提供を改善するために、従業員や契約社員へのトレーニングを追加する必要がある。

従業員

  • 応募から採用にいたる雇用体験、および雇用リレーションシップ全体のあらゆる場面において、情報のアクセシビリティを強化することが重要。
  • 雇用プロセスでの障壁に対する認知向上の機会や、職場アコモデーションの価値を深く理解する機会、さまざな要件に合わせて従業員へのプログラムやサービスを調整する機会が必要。

4.2.活動とその期間

4.2.1.1.進行中の活動

  • お客様対応を担当する従業員や契約社員向けに、アクセシビリティに関する有意義な初期トレーニングやリカレントトレーニングを実施する。
  • アクセシビリティに関する意思決定やポリシーの制定を行うすべての従業員に対し、アクセシビリティトレーニングを実施する。
  • 管理職の従業員向けに、職場アコモデーションに関するトレーニングを実施してサポートする。
  • 職場アコモデーション(WAO)を通じて、アコモデーションに関する質問や要求への対応を継続する。

4.2.2.短期

お客様

  • カナダの空港において、障がいのあるお客様の機内座席へのご移乗および移動を介助するために使用される現在の設備と、提供中の選択肢を評価する。
  • アクセシビリティへの認識を強化し、そのポリシーを社内で継続的に実践する。
  • 社内の部門ごとにアクセシビリティ推進者を特定し、その取り組みを支援する。
  • アクセシビリティに対する従業員の意識を高める方法を評価する。

従業員

  • エア・カナダの採用担当者および当社の主な依頼先である外部の人材斡旋会社を対象に、無意識の偏見に関するトレーニングを実施する。
  • 職場環境への配慮の要請を、窓口を整理することで合理化する。
  • 職場アコモデーションプロセスにおけるWAOおよびその役割への認識を向上させる。
  • 職場アコモデーションプロセスに関するトレーニングを、すべての管理職従業員に義務化する。

4.2.3.長期的な活動

お客様

  • 接客を担当する従業員、管理職、第三者の請負業者を対象としたトレーニングを強化。また、身体的介助を行う従業員や、移動補助具の安全管理を担当する従業員に向けた実践的トレーニングを強化。
  • カナダ国内における、障がいのあるお客様の機内座席へのご移乗および移動を改善する。また、移動補助具の安全性を向上させる。
  • アクセシビリティに関するコンプライアンス結果を分析し、ポリシー改善の可能性について検討する。

従業員

  • 職場アコモデーションに関するトレーニングを、従業員に定期的に実施する。
  • 現行のポリシーと手順に対する従業員の認識を向上させる。

輸送

エア・カナダは、空の旅のあらゆる場面で必要となるアクセシビリティについて、お客様との対話を幅広く行っています。お客様はウェブサイトの情報を確認して座席を予約します。また、チェックインカウンターでお手続きをしたのちに搭乗口へ移動し、直行便または(他の航空会社を含む)乗り換え便の航空機を乗り降りします。セクション1.4に記載したように、安全でアクセシビリティに配慮した空の旅には、さまざまな関係者とサービス提供者が連携し、それぞれの役割を果たすことが重要です。私達は製造業者およびすべての関係者と連携し、安全性を重視した実現可能な方法で、新しい航空機のアクセシビリティ(移動補助具の安全な輸送など)を強化するための努力を続けます。

5.1.特定された課題

  • 空港内の移動支援およびガイダンス支援の効率と快適性の改善。
  • 移動補助具による機内座席の移動を速やかで楽にするなど、障がいのあるお客様が尊厳を保ちながら安全に搭乗するための、質の高いサービスを提供する。
  • 頭上の収納棚への手荷物の収納に必要な支援を追加する。
  • 移動補助具の輸送を安全に行う。
  • 補助犬の受け入れに必要なプロセスを標準化する(飼い主が訓練した補助犬を含めるなど)。
  • 客室内のさまざまな機能の改善。たとえば、化粧室のレイアウトの改善、操作に支援を必要としない乗務員呼び出しボタンや機内エンターテインメント、座席の移動に必要なスペースの確保、移動補助具を貨物室に保管する収納場所の確保など。
  • 大型電動移動補助具を、小型の航空機(米国発着便を運航する機材など)で輸送する。

5.2.活動とその期間

5.2.1.進行中の活動

  • 機内管理面では、移動の困難なお客様によるワイドボディ機材での化粧室への移動について確認する、触知による着席確認機能を導入する、視覚に障がいのあるお客様が機内エンターテインメントを簡単に利用できるシステムを構築する。
  • 移動補助具の安全な輸送に必要な対策を継続的に実践する。たとえば、移動介助設備を確実に固定し、可能な限り手荷物から離れた場所に配置する。
  • 新しく開始したフライト後の顧客アンケートにより、障がいを申告されたお客様を対象に顧客満足度を調査し、新たな改善点の特定を進める。

5.2.2.短期

  • 折りたたみ式の手動車椅子を客室内に安全に収納できるよう、プロセスを改善する。
  • 移動介助設備が安全に固定され、可能な限り手荷物から離れた場所に配置されているかを確認し、さらに改善が可能な点について調査する。
  • 移動補助具の破損や、準備が遅れる問題の解決手順について、改善点を検討および分析する。
  • IATAのMobility Aids Action Groupが航空会社や地上支援業者向けに発表した、移動補助具の輸送の安全性および連携の強化に向けた新しいガイダンスを確認し、可能な限りこれに従って、移動補助具を使用するお客様の旅行体験を向上させる。
  • ウェブサイトに表示する搭乗オプションを説明する内容を改善。旅行時に移動補助具を必要とするお客様が、機内座席へのご移乗および移動にどの方法を選択できるかを、より理解しやすく示す。
  • 補助犬の訓練や認定に関して専門知識を有する団体と連携し、飼い主が自ら訓練した犬も含め、補助犬の認定制度の対象をより多くの犬に拡大する。
  • 機内の化粧室、乗務員呼び出しボタン、エンターテイメントシステムなどのアクセシビリティ機能について理解を深めるため、客室乗務員へのトレーニングを強化する。
  • カナダの空港において、お客様の座席への移乗および移動を支援するために使用される現在の設備と、提供中の選択肢を評価する。
  • 小型機の運航路線における大型電動移動補助具の輸送を改善する方法を調査する。

5.2.3.長期の活動

  • 空港当局と連携し、カナダ国内の空港における保安検査前の待合エリアの設備と快適性を改善する。
  • 空港当局と連携し、カナダ国内の空港における保安検査後の待合エリアの設置を評価する。
  • 空港内の移動支援やガイダンス支援の際の、お客様の待ち時間や移動回数を減らす方法について検討する。
  • お客様の要件や好みに合わせて支援を提供すると同時に、自立性の向上を図る。
  • 障がいのあるお客様のために、搭乗前の手続きや移動手段を可能な限り効率化し、可用性を改善する。
  • お客様が利用予定の便の航空機に移動補助具を搭載できるかどうかを事前に自ら確認できるよう、ウェブサイトにツールを追加する。
  • 航空機製造業者やその関連製造業者に働きかけ、ナローボディ航空機の化粧室アクセシビリティ設計について選択肢を調査する。
  • 航空機製造業者およびその他の関連製造業者と連携し、すべての機種において、サイズ、重量、種類の異なる移動補助具をより安全に輸送するために、貨物室、積み込み、固定機能について改善が可能な点を特定する。

建築環境

エア・カナダの建築環境には、オフィスビル、航空機格納庫、空港ターミナルなど、さまざまな建築物が含まれます。航空機については、「5. 輸送」で詳しく説明しているため、ここでは取り上げません。

6.1.特定された課題

お客様

  • 空港内の移動支援とガイダンス支援。
  • 空港内を支援なしで快適に移動するためのアクセシビリティ機能の追加。特に距離が長い場合や、感覚過敏/情報過多の症状を持つお客様に重要。

従業員

  • 所有スペースや運用スペース、建築環境に、築年数や設計上の理由により最新のアクセシビリティ基準を満たさないものがある。

6.2.活動とその期間

6.2.1.進行中の活動

  • 空港当局や地上支援業者と連携し、お客様が空港を利用される間の移動支援およびガイダンス支援を充実させる。

6.2.2.短期

お客様

  • カナダの空港当局、カナダ航空運輸保安局(CATSA)、カナダ国境サービス庁(CBSA)とともに、空港でのお客様の移動支援や案内について改善が可能な点を検討し、開発を進める。
  • 障がいのあるお客様が空港内を自立的に移動するための改善策を空港当局とともに検討する。
  • 空港当局と連携し、保安検査後の補助犬用リリーフエリアのアベイラビリティを確保する。
  • 感覚/情報処理に関して障がいのあるお客様をお迎えできるスペースを設置するために、空港当局と協議を続ける。
  • エア・カナダアクセシビリティサービス、メールのやり取り、エア・カナダのウェブサイトなどで、アクセシビリティ機能や車寄せでの支援に関する情報が掲載された空港当局のウェブサイトをお客様にご案内する。

従業員

  • 障がいのある従業員を緊急時に支援する現行の手順について、従業員への認知度を高める。また、障害のある従業員のためのセクションを特別に追加する。
  • 監査計画を策定し、エア・カナダが所有または運営する建築環境の評価を専門コンサルタントに依頼する。
  • 6.2.3.長期の活動

    お客様

    • 空港内での支援について、空港当局、カナダ航空運輸保安局(CATSA)、カナダ国境サービス庁(CBSA)と協議しながら、建築環境の改善が可能な点について検討および分析する。

    従業員

    • 建築環境の監査を開始し、完了までのスケジュールを作成する。
    • 建築環境の改善点についてリストを作成し、優先順位を決める。
    • アクセシビリティに配慮した緊急時対応の可用性と、その方法および改善について検討する。

雇用

2023年3月31日現在、エア・カナダには37,619名の従業員が在籍しており、そのうち35,981名がカナダ国内の80か所の拠点に勤務しています。また、米国および海外には104か所の拠点があります。

エア・カナダは、多様性、公平性、包摂性を推進し、健康的でアクセシビリティに配慮した、働きがいのある職場環境の実現に向けて、企業の成長に貢献する従業員の個性を尊重し取り組んでいます。重要なポリシーを組み込むことで、従業員が公平な待遇を受ける権利に基づき安心して勤務できる、ハラスメントのない職場環境を作ります。

2019年に設置された職場アコモデーションオフィスは、グローバル人事部門に所属し、求人の応募者、候補者、そして従業員など、雇用のあらゆる段階で職場アコモデーションの要請をサポートする集中管理チームです。

7.1.特定された課題

  • 職場アコモデーションプロセスが同等に認識されていない。
  • アコモデーションへのエア・カナダの適切な取り組みについて、候補者への説明が同等になされていない。
  • 合理的なアコモデーションを可能にするエア・カナダの責任と要件、またその取り組みに関する説明が、職務内容の記述に十分に含まれていない。
  • 形式の改善が可能なトレーニングがある。

7.2.活動とその期間

7.2.1.進行中の活動

  • カナダ国内の管理職を対象に従業員アコモデーションのポリシーとプロセスに関するトレーニングを継続的に実施。アコモデーションプロセスにおける自らの役割について理解を深めるよう促す。
  • 職場での障がいに対する偏見をなくす:
    • 障がいの自認に対する偏見をなくすため、自主的な自己認識キャンペーンを新たに開始。アクセシビリティへの認識を深め、障がい受容を促進して、すべての人の声に耳を傾ける包摂的な企業文化を形成する。
    • エア・カナダの採用担当者、および主な依頼先である外部の人材斡旋会社を対象に、無意識の偏見をなくすためのトレーニングを実施する。
    • すべての従業員に対し、マイクロアグレッションやアライシップをなくすためのトレーニングを実施する。

7.2.2.短期

  • 多様性、公平性、包摂性ソーシングマネージャーを指名し、過小評価されているグループやコミュニティから応募した候補者を人材獲得チームに紹介する。
  • 管理職を対象に職場アコモデーションに関する必須の新しいトレーニングを開始。従業員アコモデーションポリシーや、すべての関係者の役割と責任について説明する。
  • アコモデーションプロセスを部門別およびチーム別に策定する。一貫性を保ちつつ、それぞれの部門やチームに適したプロセスにする。
  • アコモデーションプロセスの自動化を開始し、関連情報を収集したり、要請をタイムリーかつ矛盾なく処理したりするために役立てる。

7.2.3.長期の活動

  • 応募から採用、キャリア開発、退職まで、雇用のあらゆる段階にアクセシビリティを組み込むよう努力する。
  • 障がいに対する偏見をなくし、意思決定、ポリシー、および手順に、アクセシビリティへの配慮が通常の業務の流れとして組み込まれるようにする。
  • 勤務先を訪問し、アコモデーションプロセスに関する対面式トレーニングを実施する。
  • 接客を担当する従業員向けに職場アコモデーションに関するトレーニングを開発する。
  • アコモデーション要請プロセスの自動化を完了する。
  • 今後の職場アコモデーションに活かすために、主要な職位ごとに身体的および認知的要件を分析する計画を作成する。
  • トレーニングの場所、種類、形式に関係なく、アクセシビリティに関するトレーニングを提供できる方法を検討する。

情報通信テクノロジー(ICT)

エア・カナダはウェブサイトやアプリの開発ライフサイクルのすべての段階にアクセシビリティを組み込んでおり、アクセシビリティに配慮した革新的な機内エンターテインメントも開発しています。情報通信テクノロジーに関連する障壁をなくすことで、デジタルアクセシビリティをさらに向上させると同時に、革新的な技術を積極的に取り入れながら改善を続けていきます。

8.1.特定された課題

お客様

  • エア・カナダのウェブサイトやアプリに、支援テクノロジを必要とする方や、神経多様性のあるお客様に、簡単にご利用いただけない部分がある。
  • 障がいのある方々に、音声コマンドを自動チェックイン機や新しい機材の機内エンターテイメントシステムで使用できるアクセシブルモードについてお伝えできていないことがある。
  • 視覚に障がいのあるお客様が、手荷物タグを不便に感じる場合がある。
  • ターンテーブルの案内がアクセシビリティに配慮されていない。
  • 搭乗時や機内でのアナウンスにデジタルツールを取り入れることで、聴覚に障がいのあるお客様へのアクセシビリティを改善できる可能性がある。

8.2.活動とその期間

8.2.1.進行中の活動

お客様

  • 機内エンターテインメントのアクセシビリティを管理する。
  • テレタイプライター(TTY)やビデオリレーなどのツールを使用し、電話システムのアクセシビリティを管理する。
  • ウェブサイトでの予約手順を継続的に改善する
  • ウェブサイトやアプリの開発サイクルのあらゆる段階(設計レビュー、開発、品質保証、統合テスト、本番環境、ユーザーテスト、エラー対応など)にアクセシビリティを組み込む。
  • ウェブデザインのアクセシビリティを継続的に改善することを目的とした、デジタルアクセシビリティの専門組織を管理する。
  • 自動チェックイン機のソフトウェアのアクセシビリティを管理する。カナダ国内の空港当局と連携し、自動チェックイン機のアクセシビリティをハードウェアとソフトウェアの両面から向上させる。

8.2.2.短期の活動

お客様

  • 支援テクノロジを活用し、ウェブサイトやお客様向けアプリのユーザー体験を改善するとともに、神経多様性のあるお客様の顧客体験向上に努める。
  • ゾーン別の搭乗時アナウンスなど、より多くの情報をテキストメッセージで通知する。
  • 視覚に障がいのあるお客様に機内エンターテインメントを簡単にご利用いただけるよう、コミュニケーションを改善する。
  • デジタルアクセシビリティに関する声明をウェブサイトに表示し、推奨されるブラウザとスクリーンリーダーの組み合わせを記載する。また、ウェブサイトやアプリに見られるデジタルアクセシビリティの問題について、フィードバックをシンプルに送信するための仕組みを確立する。

8.2.3.長期の活動

お客様

  • アクセシビリティに配慮した(アプリやテキストによる)手荷物用タグを開発する。
  • 到着時にどのターンテーブルに荷物が届くかをアプリやテキスで通知すなど、アクセシビリティに配慮してお客様に通知する方法を調査する。
  • 機内でスクリーンに表示される字幕や手話の改善方法について検討および分析を行う。
  • 視覚に障がいのあるお客様に、機内エンターテインメントのアクセシビリティモードをより便利にお使いいただけるよう検討および分析を行う。

従業員

  • 情報通信テクノロジープロジェクトの初期段階で、デジタルアクセシビリティを効率的に組み込む方法について検討する。
  • デジタルアクセシビリティに関する声明をイントラネットに追加し、推奨されるブラウザとスクリーンリーダーの組み合わせを記載する。また、デジタルアクセシビリティの問題について、フィードバックをシンプルに送信するための仕組みを確立する。

情報通信テクノロジー以外のコミュニケーション

エア・カナダは、アクセシビリティに関する情報をまとめてウェブサイトの「エア・カナダアクセシビリティサービス」に掲載し、ホームページに専用のタブを表示しています。私達はアクセシビリティに配慮した複数のチャネルを通じて簡単に情報を入手できる手段を提供すると同時に、コミュニケーションプロセスを効率化することで、コミュニケーションのアクセシビリティを改善します。

9.1.特定された課題

お客様

  • お客様がエア・カナダアクセシビリティサービスでサポートを受けられること、その利用方法、あるいはエア・カナダアクセシビリティサービスとコンタクトセンターとの違いについて、障がいのあるすべてのお客様に十分にお伝えできていない。
  • 障がいのあるお客様へのアクセシビリティポリシー、およびサービスの内容について、エージェントに十分に伝達できていない。
  • 聴覚に障がいのある方や難聴のある方、または全盲の方や視覚に障がいのある方に対して重要な情報をタイムリーに伝達するための手段に改善が可能である。
  • 障がいのあるお客様が、1回の旅行の中で、エア・カナダアクセシビリティサービスや、空港で対面するエージェント、機内の客室乗務員から同じ情報について何度も繰り返し質問されることがある。

従業員

  • 会議やイベントで、手話、字幕、アクセシビリティツールを使用できない。

9.2.活動とその期間

9.2.1.進行中の活動

お客様

  • 障がいのあるお客様の支援を長きにわたり続けているエア・カナダアクセシビリティサービスを通じて、今後もガイダンスおよびアコモデーションを提供する。
  • ウェブサイトのアクセシビリティサービス、エア・カナダアクセシビリティサービス、さまざまな形式でのドキュメント提供、搭乗口や搭乗時のアナウンスなどで、障がいのあるお客様に配慮したコミュニケーションを続ける。

従業員

  • Microsoft TeamsやZoomを使用した従業員の会議では字幕機能を自動でオンにする。面接やトレーニング、会議の際に、依頼に応じて手話通訳者を手配する。

9.2.2.短期の活動

お客様

  • エア・カナダアクセシビリティサービスの包摂的な役割がより明確に伝わるよう、また、障がいのあるお客様にとってより魅力的に感じられるよう改善を図る。
  • 年次総会や投資家向けイベントなどでの手話通訳や字幕の必要性について検討および分析する。
  • ウェブサイトやアプリの各関連ページにアクセシビリティに関する情報を表示し、アクセシビリティ情報メインページへの参照リンクを記載する。

従業員

  • 会議、対話集会、従業員向けイベントでのアクセシビリティへの配慮を強化する方法を検討する。
  • アクセシビリティに配慮した包摂的な会議を開催するためのツールキットを開発する。

9.2.3.長期の活動

お客様

  • エア・カナダアクセシビリティサービスが提供するサービスを拡充させる方法や、その利用方法について検討および分析を行う。
  • 旅行の各行程で、予約の際にお客様が入力するアクセシビリティ関連の情報を、従業員や外部サービス提供者に伝達する手段の改善方法について検討および分析する。
  • アクセシビリティサービスを書面で要請されたお客様に、利用可能なサービスや旅行前の注意事項などの有益な情報を記載したメールを送信する。

従業員

  • よりアクセシビリティに配慮しながら従業員とコミュニケーションを取る方法について検討する。
  • 聴覚に障がいまたは困難のある従業員が所属する部署を対象に、手話トレーニングの実施を検討する。

物品、サービス、設備の調達

エア・カナダは、ケータリング、航空機燃料、従業員の制服、ウェブサイト開発など、世界中のさまざまなサプライヤーと取り引きしています。

航空輸送業界では、調達する航空機によってアクセシビリティのレベルが大きく左右されます。エア・カナダは障がいのあるお客様に航空旅行をお楽しみいただく機会を拡げるべく、今後も安全で実現可能な航空機アクセシビリティ機能に関する研究、および開発をサポートします。アクセシビリティ計画の1.4および5もご参照ください。

私達はアクセシビリティの問題を調達により解決する方法について模索し、エア・カナダのサプライヤーダイバーシティプログラムに参加する業者と積極的に取り引きします。新規および既存のサプライヤーに、エア・カナダとしてのアクセシビリティへの期待および要件を伝えます。

海外や遠隔地など、サプライヤー間の競争がほどんどない地域においては、こうした取り組みが及ばない場合もあります。

10.1.特定された課題

  • 現在の調達やサプライヤーに、アクセシビリティ要件を満たしていない部分がある。

10.2.活動とその期間

10.2.1.進行中の活動

  • 調達のポリシー、プロセス、ツールを継続的に評価し、アクセシビリティの改善に努める。
  • 提案依頼書や契約書にデジタルのアクセシビリティ要件を継続的に組み込む。

10.2.2.短期の活動

  • アクセシビリティサービスの提供が可能なサプライヤー(平易な言語のライター/編集者/翻訳者、編集、翻訳、点字、デジタル、音声、字幕、音声ガイド付きビデオ、手話通訳など)を探す。
  • 提案依頼書や契約書にアクセシビリティ要件を組み込む新たな機会について、評価および分析を行う。

10.2.3.長期の活動

  • カナダの空港当局、保安および税関と連携し、アクセシビリティに配慮した調達におけるシナジーの機会を探る。

まとめ

エア・カナダは航空旅行と従業員のアクセシビリティの障壁をなくし、アクセシビリティを促進するために努力します。アクセシビリティ計画に掲げた目標の達成に取り組み、航空エコシステムのすべての関係者と連携しながら、また、「私たちのことを私たち抜きで決めないで」の原則に従ってお客様と従業員の声に耳を傾けながら、航空旅行体験のアクセシビリティ向上を目指します。

エア・カナダはアクセシビリティ計画を3年ごとに更新して公開します。また、進捗について毎年情報をお伝えします。

用語解説

  • 空港当局 – 空港の運営管理を担う組織。
  • 地上支援業者 – 空港での業務を担当する第三者企業。お客様のチェックイン、空港内でのお客様の支援、積載する移動補助具の安全管理などの作業を行います。
  • テレタイプライター(TTY)は、聴覚に障がいのある方、難聴の方、または発話に困難のある方が、メッセージをタイプ入力することで通話を可能にする装置です。
  • ビデオリレーは、聴覚に障がいのある方や難聴の方が、手話によるコミュニケーションを電話で行うために、手話通訳者がビデオカメラで参加し、通話のメッセージをリレーするサービスです。